彼に惚れた話
二ヶ月が過ぎても彼は
変わらず私の事を指名してくださり
私は唯一その中の時間だけ
ユリアから普通の女の子になっていました。
彼はいつもラスト枠で来てくれていて
この頃から彼が来てくれた日はお仕事終わりに
毎回ご飯を一緒に食べて車で送ってもらう
のがいつものパターンになっていました。
お仕事が終わり店を出ると
もうユリアではありません。
だから車の中では私に一切触ってこず
本名で呼んでくれました。
ご飯を食べに行くお店も
洒落たようなお店でもなく
ラーメン屋さんとか、ファミレスとか
そんな色気のないお店ばかりでしたが
私はとても心地よくて
いつか誰かが言っていた
「どこへ行くかよりも誰と行くかが大切」
という言葉の意味を理解しました。
もうこの時から私は
彼無しでは生きていけませんでした。