彼に惚れた話
私が彼に抱いていた感情は
恋心とかトキメキとかそんな甘い言葉は
似合ってなくて、独占欲と欲情。
この2つの感情で
私は彼に依存してしまいました。
彼に触られたところは
いつまでも暖かくて心地よくて
彼の腕の中で眠れたらどんなに幸せだろう、と
何回も何回も思いました。
彼との行為の最中は
何も言葉を交わしません。
お互いの目を見て、お互いの吐息で
通じ合っていたような気がしました。
ホテルを出てお店まで歩く時は
手を繋いで歩いて帰りました。
雨が降っている時は彼が傘を持ってくれて
私の方は傾けてくれました。
そのおかげで彼の右肩はびしょ濡れで
そんな優しささえも私の生きる糧になっていました。